それで、恋に落ちましたか?

先日開催した「恋を始める36の質問」をテーマにしたZOOMセミナーでは、実際にこれらの質問を使って参加者の皆さんで2人組を作って会話をするという実験をしました。

この「36の質問」は、20年ほど前に「親しさ」について研究をする目的で開発されたものです。赤の他人同士をひきあわせて、お互いに第1問から36問まで順番に問いと答えを繰り返していくにつれ、親しさが増すようにデザインされていて、実験の結果、このような形で出会った人々で結婚したカップルが2組いたそうです。

ニューヨークタイムズの恋愛コラムニストがこの実験について知っており、実際に自分でも試してみたところ、その相手と恋愛関係になった経験を書いたことから、(おそらく初めて)この実験が多くの人に注目され、英語版ですがいくつかのアプリまで作られています。

ZOOMセミナーでは、参加者に試してもらう前に、私と美紀子さんでデモをお見せしたのですが、選んだ質問は「自分がどのような死に方をするか、何か予感はありますか?」というものでした。

その場でとっさに考えて答えるのですが、これがなかなか面白く、ひとつの質問だけで(ふたりともが答えるので)軽く5分ほどは話せてしまいます。そして、話しながら考えていくと、自分でも驚くような答えが出てきたり、また相手についてさらなる質問を思いついてしまったり・・

これは初めて会った人同士でも相当盛り上がるだろうと容易に想像ができました。

36の質問の後には、「2分から4分間、お互いの目を見つめ合う」というタスクがあります。これが、この実験の鍵となる部分なのだと思います。

36の質問を終えるころには、90分程度の時間は一緒に過ごしており、また最後の方はかなりパーソナルな、自分の本質を露呈するようなこともシェアしています。このタイミングでじっと目を見つめ合うような状況になったら、恋に落ちないまでも、以前より相手を信頼していたり、仲良くなることは自然なのではないでしょうか。

日ごろから「ときめきたい」「恋をしたい」と思っている方は、「いい人がいない!」と嘆いてばかりいないで、ぜひ「友達ゾーンの人」を誘って、試してみてください。すぐに恋人関係にならないとしても、信頼できる仲の良い友人がひとりでも増えることは、絶対に人生を豊かにしてくれるはずです。

「恋を始める質問」を使うには?

「恋を始める36の質問」をテーマにしたZOOMセミナーは、10月17日(火)午後10時からの開催です。

このテーマに興味のある方でしたら、現在パートナーがいるかどうかに関わらずご参加いただけます。

今回のセミナーを準備するにあたり、どのような人が「どうやって恋に落ちるのか」と悩むのか、改めて考えてみました。

例えば、日常的にデートに行き慣れていて、「この人だ!」と思ったらそれほど躊躇することなく行動を起こせる人であれば、実際に恋に落ちるかどうかは別としても、それなりの人数の人と出会ってはいるでしょう。

そして、それらの出会いを通して、少なくとも自分についてのデータ(自分はどんなのが好きで、何がダメなのか、など)を着々と入手していると思います。

ただ、私が今まで開催してきたアタッチメント・タイプのセミナーなどに参加された方の中には、異性との接点がそもそも少ないとか、あったとしても頭で考えすぎてしまい、行動を起こせなかったり、あるいは好意を示されてもそれを受け止められなかったりという方もいらっしゃいます。

そういったタイプの人にとっては、いきなり「恋に落ちる」と言われてもハードルが高すぎてしまうかもしれません。

もしあなたがそのタイプだとしたら、まず「恋に落ちる」ことはいったん横においておくことをお薦めします。

そして、異性とふたりで出かけるというシチュエーションに対する心理的抵抗を少しでも減らすためのありとあらゆる方法を考えてみましょう。

例えば、よく知らない人とふたりになるのは気まずくてとてもダメなのであれば、グループ交際的な雰囲気が可能になるのはどんなシチュエーションでしょうか?

まず知り合いになり、友達になり、話はそれからだ、というのであれば、それが成り立つためのシナリオを考えます。例えば、定期的に同じメンバーで顔を合わせるような趣味の集まりなどが考えられます。

そうやって、少しでもイメージが膨らむ方向で妄想していき、実際に自分ができそうなことをひとつでもふたつでもいいので書き出して、実行していきます。

ZOOMセミナーでは、実際に36の質問の中身もみていきつつ、自分が特定の相手とその質問を使って会話している様子がイメージできるようにもっていきたいなと思っています。

でもせっかく質問リストがあっても、その状況にもっていける気がしないという方もいらっしゃると思うので、その場合はまずは上記のことを試してください。

どうしてもイメージが湧かないという場合には、セミナーの場でご質問いただければできる限りお答えいたします。

ピン!と来た方は、ぜひ来週火曜日の午後10時から、ZOOMセミナーでお会いしましょう。参加ご希望の方は、こちらから登録をお願いします。

 

 

 

 

 

選んだ相手と恋に落ちる方法

2015年にニューヨークタイムズの恋愛コラムで最も読まれたのは “To fall in love with anyone, do this” (こうすれば誰とでも恋に落ちることができる)というタイトルのエッセーでした。

コラムの著者マンディがそれまで知り合い程度の関係だった男性と飲みに行き、ふたりでおしゃべりしているときに「いくつかの共通項があれば、誰とでも恋に落ちることは可能ではないか」という話になり、彼女は20年ほど前に心理学者が行ったある実験を思い出したのです。

「赤の他人をひきあわせて、36の質問をお互いにすることで親密な関係を築くことを試みる」というこの実験は、半年後に2組が結婚するという結果になりました。

ふたりはその場で実際に36の質問をやってみることにしました。そして、その結果、数か月後にはカップルという関係になっていたのです。

パートナーを求める気持ちがあっても、様々な場面で出会う初対面同士の人たちは大体においてとても緊張しているし、相手にどう思われるだろうと自意識過剰になっていたりして、普段通りの自分を出せない人がほとんどでしょう。

でも、なんとか共通項を見つけるなどして、相手に対して心を開いていかないことには、親密な関係は築けません。この36の質問は、そのプロセスを手助けするためのもので、時間とともに親密さが増すようにデザインされています。

次回のプレマリZOOMセミナーは、この「36の質問」をテーマに、恋に落ちるという過程について考えてみます。

最近、なかなか心がときめく人と出会えなくて…とか、「本当にもういい人は残っていないの?」と悩んでいる人だけでなく、既にパートナーがいる方にもぜひご参加いただければと思います。

夫婦になってもお互いを知りあう努力は続けたいものですし、今までに考えもつかなかった質問もきっとあるはずですから。

プレマリZOOMセミナーは参加無料で、ネット環境があればどなたでもご参加いただけます。

◎次回は10月17日(火)午後10時からの開催です。こちらのフォームから登録をお願いします!

 

 

 

 

 

 

 

結婚前にこれだけは……

先日、既婚でお子さんもいる友人と会話していて、一般論として結婚前に相手についてのどんなことを知っておくといいかな?という話になりました。

すると、彼女から「実は、結婚して妊娠してから、夫になった彼には貯金がないことが判明したの」という言葉が。

事前にお金の話はしなかったの?と聞くと、「お金のことはそれほど重要視していなくて、ちゃんと聞かなかった」という返事でした。

でも、貯金がないという事実には彼女もびっくりして、もしそのときに既に妊娠していなかったら、結婚を続けるかどうか考え直したかも…と正直な気持ちを話してくれました。

その後、貯金がない理由についてもきちんと聞いて、彼にはそれなりの年収のあるちゃんとした仕事があることだし、人柄については信用していたので、ふたりで頑張ろうということになり、彼女も今では3人のお子さんを育てるお母さんになっています。

このエピソードはとても示唆的だな、と思いました。

「お金のことは重要視していなかった」彼女ですが「貯金ゼロとは予想していなかった」ということは、普通はこのくらいはあるだろう、という、自分でも気づいていなかった期待感があったということになります。

また彼のほうにも、それは結婚前には話しておくべき大事なことだという意識はなく、ついバタバタと忙しくしているうちに話しそびれていただけ…という感じで、もちろん騙すつもりなどもありませんでした。

でも、カップルの組み合わせによってはこれが大ごとになった可能性もあり、改めて「自分にとって何が『要確認事項』なのか」ということを知り、言語化しておくことが大事だなと感じました。

「貯金がある」と一言で行っても、どのくらいであれば「ある」というレベルなのかまでイメージできていればさらによいでしょう。「貯金あるよね?」「あるよ」で会話が終了していたら、やはり同じように驚く結果になるかもしれないからです。

結婚してもよいと思える関係性になったパートナーを想定しながらこれらについて考えることで、パートナーと出会う前に考えていたこととは違った「確認事項」が出てくることも多いにあり得ます。

また、彼女のように「貯金はあればそれに越したことはなかったけど、なくてもこの人とならやっていける」という結論に達することもあります。

実際のパートナーの状況を目の前にして総合的に判断することで、結婚前には必須と思っていたことが、実はなくてもOKだったということもあるでしょう。

結婚前に相手のすべてを知っておくことは不可能だし、またそうする必要もありません。

ただ、自分にとっては外せない「これだけは」については、よく考えて準備をしておくことで、より臨機応変に対応ができるようにもなるのではと考えています。

プレマリッジ・プロジェクトでは、ひとりでもこの準備のプロセスを始められるようにサポートしていきます!

◎定期開催の「プレマリZOOMセミナー」は9月28日(木)午後10時からの開催です。詳細はこちらをご覧ください。

ライフ・パートナーの選び方①

「結婚している人は寿命が長い」とよく言われます。

その理由としてよく言われるのは、家族がいると体調を気遣ってくれたり、生活が規則的になったり、変化に気づいてもらいやすい一方で、シングルの人は(より自分の自由にしやすいために)食生活や睡眠などの生活リズムが乱れがちであるというものです。

つまり「結婚は心身の健康によい」ということが言えそうですが、これには「満足度の高い結婚をしていれば」という但し書きがつきます。結婚していても、夫婦関係が冷え切っていたり、喧嘩ばかりで精神的に安定しないよう状態であれば、ストレスが心身にもよくない影響を与えます。

「結婚しさえすればよい」というものではなく、一緒にいればいるほど仲が深まっていくような関係が理想です。

では、これからパートナーを選ぶという人は、何を基準にすればよいのでしょうか?

「パートナーシップにおいて愛情は最重要事項ではない」という英語の記事には、「愛しているかどうか」で人生のパートナーを選ぶことは間違いだと書かれています。

相手の仕事や年収や背の高さや…といった、わかりやすい「スペック」だけでは、ハッピーな結婚生活を送れるかどうかはまったくの未知数です。

もう一歩踏み込んだ人間性の部分で「自分が人生のパートナーに求めること」という観点から、パートナーとして合うのかどうかを見極めることが必要です。

例えば、この記事を書いた女性にとっては

・スピリチュアルであること

・自分の感情的な部分を理解し、サポートしてくれる人であること

・自分との関係に100%コミットしてくれる人であること

・ふたりだけでは解決できない問題があったときに、必要があればカウンセリングを受けることも辞さないほど関係を大切にしてくれる人であること

というのがパートナーに求めることでした。

彼女がそのときつきあっていた男性は、彼女が感情的になると突き放したり馬鹿にしたりするだけで共感してくれなかったり、よく嘘をついたりしていました。彼女のスピリチュアルな部分も受け入れられずに、そういった話も彼とはできなかったのです。

でも、彼女がその男性と別れられずにいたのは「好きになってしまっていたから」。

記事では、友人からの率直な助言により、彼はライフ・パートナーにはなれないと気が付いた・・・という経緯とともに、結婚相手を選ぶときには、”We have to follow our values – not hearts” つまり、ハートではなくValueをもとにするべきだ、と書かれています。

“Value”という言葉は「価値観」と訳されますが、この場合は「価値観がすべて合うパートナー」というよりは「自分が最も大切にしているもの」をもっている(理解している)かどうか、ということだと私は解釈しています。

私の周りの友人でも、相手に求めるものとして「スキンヘッドの人がいい」とか「公務員がいい」ということを言う人がいますが、これらはどちらかというと、外見や職業に対する好みであり、「その人が関係において大切にしていて、相手にも理解してもらいたいこと」ではありません。

外見や職業に対する好みをもつことが悪いのではありません!むしろ、そうした外からみてもわかりやすい基準をもつことは、例えば友人に紹介をお願いする際にもとても有効だと思います。私自身、結婚を意識し始めたときに思ったことは「パートナーはダンスができる人がいい」でしたから… そういった「好み」については、大勢いる人たちの中から少しでも自分と合いそうな(共通点を持っていそうな)人を絞るための「入り口」だととらえていただければいいのではと思います。

でも、その入り口の基準を満たして知り合うことになった人に対しては、結婚してパートナーとなった相手には必ず理解してもらいたい、本当に自分が大切にしているいくつかの価値観を共有しているかどうか、という点について、好きになれるかどうかという感情とはまた別の視点から、見極めてもらえたらと感じます。

 

 

 

 

コミュニケーションの「オートパイロット」を意識する

「オートパイロット」とは、飛行機や車などの乗り物を機械で運転する、自動制御モードを指す言葉です。

また、私たちが毎日考えることなく行っていること、ルーチンと化していること、気が付けばいつもの同じ行動をとっていた・・・ということも、オートパイロットでやっていると表現できます。

することが当たり前になっているという意味では習慣と言ってもいいでしょう。

よく、運動や瞑想など健康によいとされていることを習慣にしたいときには「考えなくてもできる」レベルになるまで〇〇日は必ず続けること、と言われたりします。

このオートパイロットという言葉自体はニュートラルなもので、その行為が人生にとってプラスなのかマイナスなのかというニュアンスはありません。

朝起きてまずジョギングをすることが習慣になっている人もいれば、会社から帰ったらリラックスするためにテレビの前に座ってビールを飲み、数時間そこから動かない人もいます。

そして、夫婦のパートナーシップにおいてもオートパイロットは存在します。

例えば、家事についてのふたりの役割分担が明確になされていて、そこに話し合う必要すらなくなった場合には、それらのタスクが自動的に片付いていくでしょうし、育児についても、〇曜日の送迎は誰の役目など、決まってることを遂行していくだけ、という部分もあるでしょう。

これらの「日常において繰り返される、必ず誰かがこなす必要があるタスク」については、オートパイロット化しておくことで日々の生活が楽に(あるいは楽しく)なるかもしれません。

一方、家族のコミュニケーションにおいても意識せずにこの自動運転が働いていることがあります。

例えば、卑近な例だと、私が外出中に子どもたちが帰宅し、そのあと帰って来た私がリビングに行ってみると、子どもたちがコンピュータのスクリーンをのぞき込んでいる・・・という場面。

つい言ってしまいがちなこととしては「また動画を見ているんでしょ!」

あるいは、夫が自分のスマートフォンを横向きに持っているのを見るや「またゲームしているの」などなど。

これらは、脳の中で勝手に「コンピュータをみている=動画をみている」 「スマホを横向きに持っている=ゲームをやっている」と変換されてしまっていて、その推測に対する反応までもが自動化されてしまっているという現象です。

私の場合は、往々にして、これらの言葉は「それは今すべきではない」というトーンをもって発せられることが多いので、ここから始まるコミュニケーションは(たとえ、その推測が当たっていたとしても)あまり心あたたかな、より親密になれるタイプのものではなくなります。

このオートパイロットができあがるのには、もちろんそれなりの理由があるのですが、それを探して自分の反応を正当化するよりも「自分には、深い考えなしにこういう反応をする経路があるのだ」と気が付くことが大切です。

気が付けば、そのままキープするのか、変えるのかという選択ができますから。

自動的に反応してそのまま言葉を発するのではなく、一呼吸おいて、自分はこの場で何を伝えたいんだっけ?この目の前の家族との関係をどんなものにしたいんだっけ?ということを思い出せると、その次に来るのはもう少し配慮された、優し目の声になったりします。

皆さんはいかがですか?オートパイロット化されたコミュニケーションで、変えたいと思うことはありませんか?

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Dress記事「成功する結婚」シリーズ で、私と夫が受けたプレマリッジ・セミナーの内容について少しずつご説明していますので、結婚を真剣に考えている!という方はあわせてチェックしてみてください。

プレマリッジ・プロジェクトのFacebookグループでは、ZOOMセミナーのダイジェスト版の動画をシェアしています。(*グループは承認制です)

 

 

 

 

 

結婚準備度チェックシート

著書「国際結婚一年生」を執筆していたとき、これから結婚する人が「どのくらい自分は準備ができているのだろう?」ということが簡単にわかるチェックシートを作ろうと思い立ちました。

この本は国際結婚をする人のために書いていたので、例えば「住む国&異文化について」とか「言葉とコミュニケーションについて」といった国際結婚ならではの項目や質問もありますが、多少の表現を手直しすることで、結婚相手の国籍に関わらず活用してもらえる内容になっています。

9月14日(木)のZOOMセミナーでは、この「結婚準備度チェックシート」を使います。自分がどのくらい “marriage-ready”なのかを認識するとともに、これからのパートナーとのコミュニケーションに役立てるヒントになるのではと考えています。

今のところ結婚する予定がない、とか、パートナーもいないんだけど、という方も、いずれ結婚したい!(あるいは長期的なパートナーが欲しい)という方でしたらどなたでもご参加いただけます。

初回のZOOMセミナーから参加されている女性が、8月に「婚約しました!」と嬉しいご報告をしてくださったのですが、初回が行われた5月末にはまだ交際される前だったのです。

いずれ結婚したい、あるいはアクティブに婚活をしているという方にとって、実際に結婚したときのことをシミュレーションできるのは、意識をそちらに向ける意味でも大いに役立ちますし、「どうやったらハッピーな結婚生活の最初の一歩を踏み出せるのか」ということも学べるので一石二鳥です!

*ZOOMセミナーへの参加をご希望の方は、こちらからお申し込みください。

みなさまのご参加をお待ちしています!

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Dress記事「成功する結婚」シリーズ でも、私と夫が受けたプレマリッジ・セミナーの内容について少しずつご説明していますので、結婚を真剣に考えている!という方はあわせてチェックしてみてください。

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パートナーと一緒に住む!と決めたけれど…

パートナーと一緒に住むと決めるということは、その関係におけるひとつのマイルストーンだと思います。

そこに行きつくまでの間にも濃いお付き合いをして、お互いの家に泊まったりして半同棲のようになっていたとしても、「自分だけの部屋」を引き払って、いわば「ふたりで住む部屋だけが帰るべきところ」となるのは大きなステップです。

ふたりともが引っ越しをして新たな場所に住む場合もあれば、片方がもう片方の部屋に引っ越すこともあります。

前者であれば、ふたりであれこれと条件を出し合って適当な物件を探すことになるので、そのプロセスでお互いの持ち物の量なども話し合う機会があるでしょう。

より問題になりやすいのは後者の場合かもしれません。

よほど広いところに住んでいるか、あるいはふたりともそれほど持ち物がないということでない限り、どうしても「収納スペースよりもモノが多い」という状況になりかねません。

私たちが結婚したとき、お互いの仕事の都合で彼は先にアメリカに帰っていました。半年ほどたった後に、仕事をやめて渡米し、サンディエゴの賃貸アパートに住み始めていた彼のところに行ったのですが、部屋の数や大きさに比して溢れかえるモノの多さにしばし茫然としたのを覚えています。

一般的には、引っ越しというのは持ち物を整理する良い機会なのですが、日本では米軍に勤務していた彼は、帰国の際も引っ越しは自己負担ではなかったため、とにかく(車以外の)すべてを持ち帰ったかのようでした。

新しいアパートに住み始めてからしばらくは、もうどう考えても使わないと思われる家具やモノを整理したり処分したりという作業に追われました。

特に、ひとりで住んでいた期間が長い人ほど、そこに新たに住人が増えるというのは、ある意味「自分の聖域を侵略される」ようなイメージなのかもしれません。彼はモノ自体にはそれほどこだわらないタイプでしたが、とにかくどんどん捨てようとする私に対しては「いや、ちょっと待ってくれ…」という感じでした。

人によって、居住空間に対するこだわりはいろいろですので、このあたりもできれば交際時にお互いの家を訪ね合って、どのくらいの散らかりようが許容されるのか、モノの量はどのくらいなのかなどを観察しておくとよいでしょう。

そして新たな住人を迎え入れる立場の人にとっては、これはそのままこれからの未来に起こることを象徴的に示しています。

何しろ、今までのやり方を少し変えてスペースを作る努力をしないことには、パートナーはそこには住めないのです。これは、今まで自分だけがコントロールしていた空間をパートナーとシェアしていくことを意味します。

物理的なスペースもそうですが、心理的な余裕がなければ、他人であるパートナーの人生を自分のものとして受け入れることはできません。

どうしても手放したくないものでも、家に置いておくことができなければ、トランクルームを借りたり、実家や友達に頼むなどという手配が必要になってきます。

これから始まる「ふたりの生活」をうまくやっていくために、どういったことが必要になるのか。自分はそのタスクに対して、心をオープンにしたまま気持ちよく対応できるのか。

これは最初の試練と言えるかもしれません。

 

 

 

「分かりあうことが不可能な違い」

アメリカでの離婚の理由としてたびたび耳にする “irreconcilable differences”。日本語では「相容れない違い」などと訳されます。

話し合っても努力をしても、妥協したり折り合いをつけたりすることができないほどの違いなので、もう別れます…というニュアンスです。

日本での離婚の理由のひとつ「性格の不一致」にあたるとも言われますが、性格なんてみんな違うものなので、正確には “irreconcilable differences”と同じく「折り合いをつけることをあきらめた」ということになるのでしょうか。

同じ人間はふたりといません。ひとりの他人と生活をともにし、時には財産や時間、子どもなどの家族を共有し、人生を一緒に送りましょうと決めても、どうしても「理解できない」とか「賛成できない」ということは出てくるでしょう。

お互いに「どうしても相容れない」と思うような信条は、幼少期の体験からなどをもとに長い時間をかけて作られるか、あるいは強烈な経験などによって形成されたものがほとんど。簡単に説得されて考えを変えられるものでもないのでしょう。

執筆したばかりのDressの記事は「政治・宗教」というテーマでしたが、この記事に書ききれなかったことがあります。

それは、キリスト教や仏教など、一般的に知られている宗教というカテゴリにあてはまらなくても、ある人にとって「これが真実だ」と思う、その信条の強さは宗教的と言ってもよいということです。

例えばこちらの記事

「トンデモ」健康情報で家庭が崩壊した男性が語る、元妻の「変化」

このストーリーの中の「妻」は、(客観的には科学的根拠のないものだったとしても)人から聞いた健康情報を、生活を変えるほど強く信じるようになり、それがパートナーとの間の亀裂の原因になりました。

こういった記事を読むと「私たちは大丈夫、こんなことにはならない」と思う人が多いでしょうが、本当にそうでしょうか?

これだけ情報が溢れ、体験の種類も限りなく細分化されている世の中で、いつどんなときに誰に心を動かされ、その結果何が起こるか、予測するのはほぼ不可能ではないでしょうか。

私は、何事も「自分たちは大丈夫」と思うよりも、こういった可能性が少しでもあるということについて考えたり、パートナーと話し合ったりしておくほうが健全なのではないかと考えています。

結婚しようと考えているふたりであれば、人生を分かち合い、できるだけいい関係を維持しようとする努力をどこまでできるのか?不測の事態が起こったときにはどうするか?というところまでシミュレーションできれば、未来に対する不安も少しやわらぐし、危険な兆候に対するアンテナを立てることもできるので、より安定した関係を築けるのではないかと思います。

ふたりの間の違いを“irreconcilable”(相容れない、妥協できない)かどうかを決めるのは、結局のところ当の本人たちなのですから。

 

**** 次回のプレマリZOOMセミナーは 8月31日(木)の午後10時からです!詳細はこちらをご覧ください***

結婚式のことでパートナーと衝突したら。

以前、まだサンディエゴに住んでいたときに、「結婚式のことでモメている」という国際結婚カップルのご相談をお受けしたことがありました。

結婚式は夫婦になるための最初の共同作業とも言われていますが、ウェディングにまつわるあれこれがもとで険悪になるカップルも少なくありません。

式の詳細について、カップルの間で意見が食い違うポイントはいろいろあります。

結婚式のスタイル、何人くらいのゲストを呼びたいのか、予算や特別なこだわりなどなど…

私は「すべての結婚は異文化体験」だと思っています。

違う人間同士なのですから、異なって当たり前のお互いの価値観がぶつかりあい、コミュニケーションスキルや人としての器の大きさをもってうまく折り合いをつけることができないときに喧嘩へと発展する…とも言えるでしょう。

ただ、国際結婚であるがために、ふたりの「違い」の幅が極端に大きくなりやすいことは確かです。結婚式の場合は、そもそもどこで行うのか?ということだけでも一気に選択肢が広がってしまいます。

ご相談をお受けしたカップルは「彼の国」での式になることは決まっていました。彼女もそれなりに家族や友人を招待していましたが、彼が招待したゲストに比べると実際に出席できる人数は極端に少なくなります。

そんな中、彼がさらに高校時代の友人などを招こうとしたことをきっかけに、ふたりの考え方の違いが表面化していました。

彼女の懸念は、せっかく日本から来てくれる人たちに気持ちよく過ごしてもらいたいというところにあり、例えば彼側のゲストだけが英語で盛り上がってしまって、あまり歓迎されていない雰囲気になったらどうしようと心配していました。

(実際に現地の言葉がよくわからないまま留学なり長期滞在をした経験がある方は、この「自分には理解できない言語を話す人たち」に囲まれて寂しい思いをしたという体験に覚えがあるのではと思います)

カップルは自分たちでも十分話し合いをしてきたけれど、なかなか思うように解決できずに「自分たちは相性が悪いのではないか」とまで思い詰めていました。

そこで、私が間にたって問題を交通整理し、お互いにとってベストな言語で、きちんと届くコミュニケーションをとってみたところ、そこで初めてお互いに主張していた背景にある心情を理解できた…と言われたのです。

彼からは「これほど明快に説明されたことはなかった」という言葉とともに、彼女の気持ちも理解できる、ゲストの人数が違っていても、絶対に彼女のゲストを寂しい気持ちにさせない工夫を一緒に考えよう、という提案がありました。

彼女も彼の真摯な態度に、人数をできるだけ均等にすることだけにこだわり続けるのではなく、お互いに満足できる案を考えましょう、と前向きになってセッションを終えました。

ふたりは新たな気持ちで一か月後に迫っていた式の準備に取り組み、その結果、ふたりともが納得のいく式を無事に執り行うことができました。たった1度、60分程度のセッションをしたことが、ふたりの夫婦としての最初の一歩を踏み出すという大事な日を素晴らしいものにする助けになったのです。

結婚式を思い出に残る素晴らしいものにできた、ということ、そしてそれ以上に、これから人生をともにするパートナーとこのような経験をシェアしたことで、これからの結婚生活を円満に送っていくツールがひとつ増えたことは有意義だったと思います。

プレマリッジ・プロジェクトは、結婚する前に心配なことがある、既に衝突しているポイントがある、もしくは、「何が問題になり得るかまだイメージできていない」というカップルにも、夫婦としての最初の一歩をスムーズに踏み出すためのサポートになるものです。

次回のZOOMオンラインセミナーは8月31日(木)午後10時から開催します。お申込みはこちらからお願いします!