結婚したはいいけれど…「私は誰?」症候群

5月から、Dressで「成功する結婚」というシリーズ連載を書いています。

公開されている最新の記事では、「私のプラン」から「私たちのプラン」へというタイトルで、結婚することで変わる可能性の大きいキャリアや人生プランについて話し合うコツをテーマにしています。

私も結婚を機にキャリアをリセットしましたが、この決断で、私の人生の方向は彼と出会う前に想定していたものとは大きく違ってきました。未来は常に不確定ですが、もし彼と結婚しなかったら「3人の男子の母」にはなっていなかった可能性が高いのでは…と思っています。

こちらの記事にも書いたように、現在、結婚を経験した人へのインタビューを行っていますが、中には私のように国際結婚をして海外に移住したという人もいます。先日もインタビューをしていて、新婚当時の自分を思い出していました。

私は彼と結婚して渡米した後、しばらくの間は悶々とした日々を過ごしました。日本では国連でバリバリ働いていたのに、移住先のアメリカでは学歴も職歴もそれほど評価されず、思うような仕事が見つからなくて無為に時間を過ごしているような気がしてしまっていたのです。

これは立派なアイデンティティ・クライシス。それまでの私にとってとても大事だった「国連で働く自分」というアイデンティティが失われたために、「私は何者なんだろう?」という根源的な問いに向き合うことになります。

著書の「国際結婚一年生」はこの経験があったから生まれたと言っても過言ではありません。

でも、そんな中でひとつのよりどころになったのは「この状況がずっと続くわけではない」ということでした。プレマリッジ・セミナーで提示されていた質問をきっかけに、「サンディエゴにはとりあえず3年から5年の間住む」という話し合いをしていたからです。

「結婚当初は私が仕事を辞めて彼のいるアメリカに行くけれど、サンディエゴにいる間に彼もスペシャリストとしてのスキルを磨き、別の土地(国)でも仕事ができるようになる」

という目標をふたりで設定して、そのあと今度は私が行きたい国に移動しよう…というプランをたてていました。渡米してから数年の不遇の時代(笑)を乗り越えられたのも、その状況には期限があり、未来の可能性は常に開かれていると思えたからかもしれません。

実際には、結婚して4年が経ったころにようやく、キャリア的にも満足のいく仕事が見つかったり、同時に長男を妊娠したりというライフイベントがあり、2014年に日本に移住したときには12年もの月日が流れていました。

予定は大幅に変更になったものの、私が意を決して「日本へ家族で移住したい」と夫に伝えた後の家族としての方針がスムーズに決まったのは、結婚する前に話し合っていたから、という要素もあったと考えています。

夫は移住の際に転職しているのですが、以前の職場を去るときに当時の同僚から「配偶者のために移住するなんて優しいね」と言われ、「これは7年越しの彼女との約束なんだ」と答えたそうです。

これを聞いて、プレマリッジ・セミナーをきっかけにして、お互いにこの人生で経験したい夢や希望を語り合っておいて本当によかった…と感じました。

結婚を機にキャリアや人生プランが大きく変わる予定だという方にとって、短期的には仕事を辞めるという選択をする場合でも、長期的には自分はどうしていきたいのか?ということを話し合っておくことはとても大切です。

英語で“Putting it on the table” という表現があります。文字通り「テーブルの上に置く」ということですが、話し合うべきトピックとして挙げておくという意味にもなります。

プレマリッジ・セミナーで、心配なこと、気になることはすべてテーブルの上に挙げておくことで、その時にすべて解決しないまでも、後に再び話題にしやすくなるのだったら、それは大きなメリットだと思います。

 

*結婚経験者の方のインタビュー、まだまだ募集しています!詳細はこちらの記事をご覧ください。

*次回のZOOMセミナーは「知っておきたい男女の違い」というテーマで7月13日(木)午後10時からの開催です!参加ご希望の方はこちらから登録してください。